鹿森住宅跡:山の斜面に石積みの住居群跡!まるで古代遺跡の風景!愛媛県にある山中の産業遺産
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愛媛県にある新居浜市の山中に古代の遺跡を思わせる絶景の撮影ポイントがあります。
新居浜市は古くから別子銅山によって栄えており山の至る所に採掘所や住居の痕跡を見受けられます。
別子銅山は山の上から徐々に標高を下げ採掘を繰り返しており、稼ぎ手達が暮らす鉱山町も各所にありました。
「鹿森住宅跡」も住居の痕跡が残るエリアのひとつ。
一歩踏み入れば人の手によって造られた歴史を感じさせる景色が拡がります。
例えるなら…「天空の城ラピュタ」をも彷彿させる…のは言い過ぎかもしれませんがカンボジアの遺跡群にも似た古都をも感じさせる素晴らしいエリアです。
今回は愛媛県新居浜市の山中にある「鹿森住宅跡」の風景をご紹介します。
鹿森住宅跡
鹿森住宅跡(しかもりじゅうたくあと)へのアクセスは軽登山になりますが、足場の良い山道が多い為、ハイキング気分で登山する事ができます。
鹿森住宅跡があるエリアは殆どが階段での昇降になり、住居跡地は平地で古代を感じさせる様相です。
鹿森住宅跡 詳細
鹿森住宅は大正5年(1916年)に建設され全盛期には約300戸に1,300人余が生活していたとされ昭和45年(1970年)に閉鎖されました。
別子銅山閉山は昭和48年(1973年)
鹿森住宅のエリア内には小学校や共同浴場などもあり、鹿森住宅で暮らす人々の様子が写真にも残されています。
別子銅山の名残りである史跡巡りは広大な範囲ですが、気軽に行ける場所としてマイントピア別子内や別子銅山東平ゾーンがあります。
別子銅山東平ゾーン
マイントピア別子から専用バスが出ており山道に自信がない場合はバスの利用がお勧めです。
もちろん自家用車でもアクセス可能。
マイントピア別子
鹿森住宅跡へのアクセスの拠点はマイントピア別子になります。
鹿森住宅跡が山中の為、活動拠点としてマイントピア別子の詳細になります。
基本情報 | |
名称 | 鹿森住宅跡(マイントピア別子) |
所在地 | 〒792-0846 愛媛県新居浜市立川町 |
交通 | 県道47号線沿い |
駐車場 | 有り |
トイレ | 有り |
売店 | 有り |
食堂 | 有り |
HP | マイントピア別子 |
- 駐車場:登山口近くに駐車するのがお勧め。
- トイレ:登山前に済ませましょう。
鹿森住宅跡へのアクセス
国道11号線、あるいは松山自動車道新居浜ICよりマイントピア別子方面。
県道47号線で道の駅マイントピア別子を目指します。
新居浜駅よりバスでのアクセスも可能です。
鹿森住宅跡での撮影
鹿森住宅跡へはマイントピア別子の敷地内にある登山口よりアクセスします。
道の駅マイントピア別子の正面玄関の反対側(北方面)にある駐車場の一角に登山口があります。
鹿森住宅跡 スチール撮影(1)
鹿森住宅跡での撮影は枚数も膨大になってしまい、複数ページでご紹介したいと思います。
なるべくルート順でご紹介しておりますが、居住地跡等は若干順序が異なります。
※コース図は距離感は反映しておりません。
※浴場跡は2方向に分かれる階段を左に登った先。
活動拠点と導入部
マイントピア別子の北側にある駐車場の山の麓には産業遺産になっている「端出場貯鉱庫跡(はでばちょこうこあと)」があり、向かって右側の階段からアクセスします。
端出場貯鉱庫跡から鹿森住宅跡までは徒歩でおよそ15分〜20分で到着します。
今回の荷物はリュックと三脚を含めて計測すると15kgでした。
中身は殆ど撮影機材になっており一眼レフ・交換レンズ・ドローン・撮影用小物の他タオルと上着・懐中電灯・モバイル充電器等。
食料は持参していませんが飲料は500mlを二つに分けて携帯しています。
水分をプラスすれば総重量は16kgになりますね。
当日は雨具が必要無い天候ではありますが小さく携帯できる雨具を持参しています。
例え日帰りで天候が申し分無い日でも、意外にもあれば便利な雨具です。
導入部の階段と斜面を登ると短いトンネルがあり、これが鹿森住宅跡へ続く言わばタイムトンネルなのかもしれません。
トンネルを抜けて山道をとにかく登る。
なだらかな場所もあれば、若干急な坂道もあります。
動画で撮影しながら歩いておりますが、ルート上の写真はここでは割愛させて頂きます。
足元だけ見ながら歩くのではなく、時折山の斜面にも目をやると途中で給水タンク跡を見つけられます。
目印は地面に錆びた太めの鉄パイプがある箇所の上部です。
やがて「鹿森索道終点」という看板が見え、鉄塔を越えれば直ぐ到達します。
給水タンク跡は鉄塔を過ぎた辺りで下を見れば見つかります。
鹿森住宅跡下層
山道に慣れていれば、比較的楽に到達する事ができます。
あまり山道に慣れていなくても休み休み進めばやがて辿り着きます。
石積みされた、まるで城壁のような場所。
この石積みの壁沿いに進む事もできますが、ここは真っ直ぐ進んだ方がお勧めです。
この場所を山中での拠点として、カメラを取り出したり水分補給。
撮影の準備を行います。
鹿森住宅跡はこの山の斜面全体に拡がりますので、とてつもなく広大な敷地です。
少し広がった平地には石碑と鹿森住宅の銅板があり、木の幹に当時の写真が飾られています。
手作り感満載の写真展示ですが、風景写真を撮る者の景観を考えれば、ほんの少しだけ展示方法を工夫しても良いかもしれません。
とは言え、このように当時の住民の様子が垣間見られるのは良い事でしょう。
石碑がある場所をさらに進むと、いよいよ鹿森住宅跡のメインとも言えるエリアが見られます。
水路を挟んでふたつの階段や石垣は苔に覆われ古代の遺跡を思わせる雰囲気でテンションが上がります。
浴場跡
さらに上へと階段を登ると2方向に分かれる階段があります。
初めての場合は、この階段を道なりに左側の階段を選びます。
もちろんどちらを選んでも良いですが、行き着く先は同じです。
階段を登ると浴場跡があり、共同浴場と思われる広い敷地の浴場には湯船も見受けられます。
周囲の住居跡のエリアからは少し上から浴場跡を見る事ができます。
男湯と女湯でしょうか?
2方向に分かれたエリアにふたつの湯船と水か湯を溜めるような場所があります。
浴場跡の基礎の向こう側には鉄製の物体がありましたが、もしかしたら水を温めるための何かだったのかもしれません。
比較的狭めの湯船ではありますが、大人数人が湯に浸かる事ができそうです。
段差もあり、座って湯に浸かる事ができたようです。
ドローンで上部から撮影してみました。
鹿森住宅跡のエリアでドローン撮影は必要無いと思っていましたが、もしかしたら…と思い持参しています。
鹿森住宅跡中層
左側の階段を選んでさらに登ると橋のような物が見えてきます。
鉄骨だけが残っており、渡るのはやめた方が良いでしょう。
壊してしまう危険だけでなく、破損による落下は身を滅ぼします。
苔むした階段と石積みの壁は遥か先まで続きます。
この石積みはどのようにして運んだのか?
別子の山の至る所にこのような石積みのエリアがありますが、とてつもない人力を感じます。
今は残っていませんが、石積みだけでなく家屋が立っていた訳なので、その材料を運搬するのは想像を遥かに越えています。
石積みの見えるエリアは、そこかしこにありますが、やはり鉄骨のみ残った橋のエリアは、ついつい写真も多くなってしまいます。
コンクリートがある時点で古代遺跡とは言えませんが、鉄骨の先に宙に浮いたコンクリートの残骸がぶら下がっています。
よく観察していると至る所に石碑のような物も存在します。
「國光」と彫られており「鹿森◯年団創立 十五周年記念」というのが見えます。
うっかりして後から読んだので「青年団」なのか何なのか…再度訪れた時に確認します。
東平小学校鹿森分教場の跡地なども見受けられ、掲載はしていませんが陶器の破片なども多く見られます。
住居の釜戸も多く残っており、複数集まった釜戸などは、共同なのか施設のような感じです。
炊事場のコンクリートも見られ生活の痕跡が見られます。
遥か先まで続く石の階段と石積みの壁。
石積みを細かく見ると石の形の違いや積み方が良く分かります。
一体どこまで続くのか…
苔やシダ、草が階段や石積みを覆う様相はアジアの遺跡。
このような場所があまり紹介されていないのは何故だろうか?
左側の階段を最上段まで登り切ると突き当たってしまいます。
突き当たったら右側のエリアに足を踏み込み、先まで行けば階段があります。
この先の階段が麓で分かれた右側の階段の先になります。
この階段を下に降りれば元来た麓まで辿り着きます。
このまま降りても良いが…余裕があるなら上に!
真っ直ぐ上へと伸びた階段のみを登るのも良いですが、木々の少ない敷地に立ち入るのも良いでしょう。
そこには大小様々な煉瓦造りの囲いがいくつも見られます。
生活空間
煉瓦で囲われた物は大小様々です。
釜戸のような物もあり、炊事場の雰囲気があるコンクリート製の物もあります。
落ち葉やシダなどで覆われており、払って全容を見てみたい気もしますが、自然のままにしておこう。
処により排水管のような物もあり、少し佇んで先人の暮らしを想像してみるのも良いかもしれません。
右側の階段の上段を登り切ると突き当たります。
「尾端→」と書かれた看板が見えます。「尾端」の読み方は不明ですが「おはし」や「おばし」または「びたん」でしょうか?
「尾端→」を矢印の先に進むと先述した「鹿森住宅跡下層」の拠点に辿り着きます。
途中には拠点で見えた城壁のようなエリアにある「鹿森神社跡」などを見る事ができます。
「鹿森神社跡」はこの後ご紹介します。
逆に進むと「辻ケ峰」になりますが、「辻ケ峰」の頂上に行かなくてもこの先、まだまだ住宅地跡を見る事ができます。
廃屋
途中はかなり割愛していますが、辻ケ峰方面へと進むとやがて廃屋が見えてきます。
こちらの廃屋は鹿森住宅跡に残されたものとは異なり、比較的新しいものである事が推測できます。
とは言っても遥か昔の住宅のようです。昭和の時代の感じです。
この家屋の庭先にはロープウェイの架台のような物があり、資材や物資を運んでいた形跡があります。
庭には池の跡もあり優雅な暮らしが想像できます。
比較的新時代のものと推測でき、洋式の便器の残骸も見られました。
この廃屋から更に先の敷地には鍋などが置いてある台所らしき場所も見えます。
敷地内にはガスボンベや鉄釜、空き瓶が散乱しています。
良い感じに錆びて古びたガスボンベはちょっとした被写体になります。
いわゆるゴミと化した物ですが、注意深く地面を見ていると子供の靴がありました。
女の子の物のようでキャラクターの絵が描いてある。
10数センチの大きさなので幼稚園にも満たない女の子の靴のようでした。
竹屋敷付近
廃屋を過ぎて少し先に進むと分岐点に到達します。
正面が「竹屋敷」で右方面が「山根」「瑞応寺」左方面が「土の峠」になります。
さらに土に峠の案内板の先には「←マイントピア」と書かれた案内板もあり。
このエリアは鹿森住宅とは少し雰囲気が異なります。
共同エリアという感じではなく個宅や屋敷の雰囲気?
竹屋敷の階段があり足を踏み込むと、倒壊した竹が沢山あります。奥は竹藪になっています。
竹屋敷のさらに先を進むと墓石とお堂があります。
お堂から先には伐採エリアが広がり、ようやく広い空が見える場所へと辿り着いた感じです。
今回のミッションは辻ケ峰への登頂ではなく鹿森住宅跡の散策が目的だった為、ここがゴール。ミッションコンプリート!
鹿森神社跡
元来た道を降りて行きますが、先述の鹿森住宅跡の突き当たりにあった「尾端→」の案内板の先を進むと、住居跡なども見えながら「鹿森神社跡」に辿り着きます。
鹿森神社跡の敷地には鳥居などは無いが石柱と手水石が残っています。
奥の大きな岩の前に小さな社が設置されていました。
お陰様で鹿森住宅跡、堪能させていただきました。奉拝。
鹿森神社跡の左側へと進むと、足場は悪いが小さめの階段があり、その先は下層から向かって右側の階段の中腹に出ます。
このように横へ横へと進んでもこのエリアを楽しむ事ができます。
散策自体は数時間もあれば楽しめますので、歴史探訪のハイキングと言ったところでしょうか?
鹿森住宅跡 動画撮影
マイントピア別子の登山口から全エリアを動画でも撮影しました。
アクセスや全容動画も準備しておりますが、まずはイメージ動画をお楽しみください。
鹿森住宅跡 撮影後記
鹿森住宅跡での撮影は、正直進捗が悪い部類に入りました。
ハマってしまって動画を撮っていればスチールは撮れず…一眼レフを出せば動画は撮れず…当たり前ではありますが、少し集中力が欠けて思ったように撮影できませんでした。
ちなみにあえて平日に撮影日を設定しましたが、思った通り誰にも会いませんでした。
お昼前に現地入りして夕方まで5時間ほど山中に滞在して撮影しています。
重いリュックも数ヶ所で置きっぱなしにして身軽になって三脚担いで撮影したりしています。
エリアは木々に覆われておりほとんど空を見る事ができません。
その為ISOも上げなくては撮影できませんが、三脚持参なので長時間露光できます。
半分は手持ち・半分は三脚という具合です。
思い切り絞った物もあれば開放で撮影した物もあり。
ボカしたい場合や奥までクッキリ撮影したい物もある為、撮影が楽しい被写体です。
掲載写真の中には一部映像のキャプチャーも含まれています。
ドローンに関しては、低めな位置に枝が多く階段の為、徐々に前と上部移動しながらなので操縦は難しかった。
もっと落ち着いてドローンに集中すれば撮影できたかもしれませんが、ドローンより一眼レフで写真を撮る方を選びました。
鹿森住宅跡での撮影まとめ
鹿森住宅跡は古代遺跡を彷彿させるエリアです。
別子銅山東平エリアも確かに眼を見張る建造物の宝庫であるものの、この鹿森住宅跡は当時の人の暮らしを感じさせられます。
個人的な好みで言えば鹿森住宅跡は今まで見た風景の中でも萌えるスポットです。
本来なら住宅跡のエリアは平地が残っているはずですが、大きな木が植っています。
別子の山のエリアは銅の製錬によって森林の伐採等で荒廃した山になっていました。
それを、元通りにする為に各所で大量に植林をし、今見える森林になって蘇ったとされています。
鹿森住宅跡も同様に植林によって現在のように太く大きい木が住居跡に育っているのかもしれません。
観光地化してしまうと来訪者も多くなり傷んだり整備も大変でしょう。
ほぼほぼ観光地となっているマイントピア別子や東平ゾーンより余程見応えあるエリアだと感じますが、あえてひっそりと知る人ぞ知るエリアとして残ってくれれば良いような気もします。
鹿森住宅を散策してその後、マイントピアの温泉で体を癒すのがお勧めです。
四国の撮影地
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