天の川の撮影例〜環境やカメラ・レンズで変わるカメラの設定!臨機応変に対応する星空撮影
カメラの性能が上がって、天の川の撮影も容易になってきます。
天の川の撮影はこの設定で撮れる!というのはケースバイケース。
今撮影している環境と自分のカメラやレンズの性能を知って天の川の撮影に挑みましょう!
写真を楽しむブログ 撮影アイテム紹介 写真ブログにようこそ!
天の川の撮影
天の川の撮影方法もカメラの進化によって著しく変化しています。
当ブログでも紹介している「天の川の撮影方法」の補足としてカメラの設定についても記載しておかなければ「撮れないじゃないか!」「明るすぎる!」「暗すぎる!」など様々な情報の相違も出てきます。
使っているカメラのグレードやレンズ、あるいは撮影環境による様々なケースがありますので「天の川はこの設定で必ず撮れる!」という事はありません。
「天の川の撮影方法」の補足記事として、天の川撮影時のカメラの設定の違いなどをご紹介したいと思います。
カメラの設定
使用カメラ・使用レンズ・撮影環境などで綺麗に撮れる、イマイチ…などいろいろなケースがあります。
私が通常使用しているカメラとレンズでしかご紹介できませんが、カメラのグレードでも変わってきます。
現像前の画像も今回だけご紹介しますので、ご自身のカメラと比べて撮影してみてください。
カメラ設定
2台のカメラで撮影した天の川の写真を元に成果物を検証してみます。
カメラ:Nikon D810
レンズ:NIKKO 20mm f1.8
撮影機材(2)
カメラ:Nikon D7100
レンズ:NIKKO 10mm f3.5
撮影環境
空の状態は快晴ですが天の川は肉眼では薄い雲のように見えています。
市街地から離れていますが、山の麓から1km程度の住宅街になります。
快晴とはいえ高地のように空気は澄んでいない。満天の星とは言えない撮影環境です。
画像は、検証用に撮影したものではなく、本番撮影前のテスト撮影をピックアップしたものを使用しています。
現像前の元データ
1SO:1600
絞り:f1.8
シャッタースピード:15秒
case1の撮影データの場合、かなり明るく撮影されます。
本来の星空には程遠い環境ですが、天の川が確認できます。
コントラストがあればハッキリしそうな撮影データです。
1SO:2500
絞り:f1.8
シャッタースピード:8秒
ISOを2500に上げて、その分シャッタースピードを短くして撮影すると、若干暗くなりますが、まだ充分明るいので、撮影物よりシャッタースピードも短くできます。
画角は異なりますが、カメラ・レンズ・設定も変えたものになります。
1SO:1600
絞り:f3.5
シャッタースピード:10秒
実は、このカメラ設定は間違えた設定で撮影されたものです。
つまり…1.8のレンズを使用している設定でISO1600にしています。
タイムラプス用に、この設定で2時間もの間、インターバル撮影してしまいました。
画像を見てお分かりのように全体的に暗すぎます。
f3.5のレンズでISO1600、もしくはシャッタースピードが10秒というのは短すぎますね。
この場合は、ISOが1600の場合なら20秒にするべき環境でしょう。
または10秒で撮影するなら2200以上にしないと良い設定とは言えません。
一応インターバル撮影後の動画もよろしかったらご覧ください。
現像後のデータ
実際に撮影物を現像してみます。
ケース1を見てもケース2ともに、同じようになるように現像することも可能ですが、あえて明るさなどは変えていません。
ただコントラストなどは変えています。
コントラストを上げたり明瞭度を上げればまだ調整できる状態ですが、ある程度のところで検証します。
まだ明るい感じですが、明るいというよりも少しボヤけた感じです。霞んでいる状態が若干残っています。
実際に現像してみると、ケース2の方が現像時の調整は少ない結果です。
次に設定を失敗したデータもできる限り良く見えるように現像します。
まずカメラが異なりますので原寸で見ると粗が多いのは否めません。
それでも暗かった画像が明るさの調整だけで良く見えるようになります。
ただフルサイズ機の画像のようになるまで調整すると、かなりノイズが入ります。
プリントしても遜色が無さそうなギリギリの状態まで調節したのが上記の画像です。
APS-Cのカメラでも天の川は十分撮影できます。
どのようなカメラで撮影してもより適正なカメラ設定である方が現像が楽です。
撮影環境による違い
これまでご紹介したものは、住宅地という平地である事と目に感じられないモヤもあるという環境でした。
そのため現像前のオリジナルデータは、良く撮れたという感じではありません。
では上記の撮影地よりも環境の良い場合はどうなるでしょうか?
多少のモヤはあるにしても天の川が肉眼で見えており、満天の星の下を感じられる撮影地です。
現像前のデータは掲載していませんが、コントラスト・カスミの除去・白レベルのアップなどを主に調節しています。
カメラの設定としてはISO3200シャッタースピード30秒と、高感度・スローシャッターな感じですが光害が少なくf3.5のレンズでは暗すぎる状態のため、後はISOを上げるしかない環境です。
本来はこのくらいの空の環境が最も撮影しやすいですね。
ただ、やはりレンズは明るい方が良いです。
では、同じ場所から明るいレンズで撮影したものは?
カメラも違いますので比べるものではないですがISO2000でシャッタースピードも20秒でおさまります。
現像方法は人それぞれですし、どのような状態で完成させるか?は差があります。
例えば上の写真を派手めに現像すると下のような写真になります。
カメラ設定がイマイチだったデータを同じように派手めに現像しようとすると、かなり粗い感じになってしまいます。
天の川の撮影は一眼レフやミラーレス・コンデジでも撮影できます。
カメラのグレードが上がれば当然細部まで表現できるのは当たり前ですが…
カメラよりもレンズの明るさが「要」になってきますね。
天の川観測撮影関連記事
天の川の撮影カメラ設定まとめ
インターバル撮影するなら設定変更はやりたくないですが…
単発で天の川を撮影する時は、いろいろな設定で撮影しておくことをお勧めします。
年々カメラの性能が上がります!
天の川の撮影時のカメラ設定が今まで通りというわけではありません。
新機種であれば、ISOを低めに撮影して試してみてみましょう。
私が使用していたカメラとして同グレードのものだとAPS-C機種ですが「Nikon D7000」と「Nikon D7100」があります。
この二つのカメラを比べてみても、やはり後継機の「Nikon D7100」の方が撮影しやすかったので、デジタル機はより新しい方が良くなっていますね。
ただ一概には言えないケースもありますので新機種の入手にはスペックの確認が必要です。
天の川の撮影は「現像力」も必要になってきますよね?
次回「天の川の現像方法」の色々についても触れたいと思います。
というわけで…
天の川は現像も大変!現像方法の一例です。