カメラで使うフィルターとは?
フィルターは必要?
レンズフィルターはいつ使う?
一眼レフやミラーレスを持つと…
カメラとセットで購入するのがレンズのフィルター。
ほとんどの方がプロテクターを購入します。
レンズを守る以外にもフィルターは必要?
フィルターはいつ使う?
レンズを守るフィルター以外にも沢山のフィルターがありますね?
全く使わない方も居れば、常に使う方も居ます。
今回はカメラのレンズに付けるフィルターを分類して紹介します。
↓
撮影に必要だからです。
レンズフィルターとは?
レンズにフィルターをつけている方も多いと思います。
私はほとんどむき出しですが…
付けていて良かった!という事もありました。
通常はむき出しですが、必要に応じてフィルターを装着します。
↓
回転して装着するもの。
専用ホルダーに装着するもの。
があります。
丸型フィルター・角型フィルターに分類
それぞれ役割がありますね?
レンズフィルターの必要性
レンズフィルターは被写体を効果的に撮影させるためのツール。
それぞれのフィルターに役割があります。
必要とされるシチュエーションもあれば…
付けている事でマイナスになる事もあります。
臨機応変にフィルターを選択し着脱するのが効果的な使用方法です。
レンズフィルターの種類
レンズフィルターには沢山の種類があります。
撮影物の関係上、全く必要ないものもあります。
日頃撮影する被写体と撮影物によって揃えるのが効果的。
プロテクトフィルターとは?
プロテクトフィルターは、レンズの最前面(前玉)に取り付け、物理的なダメージから高価なレンズを守るための「身代わり」となる透明なガラス板です。
清掃の簡略化:
レンズ本体を何度も拭くとコーティングを傷める恐れがありますが、フィルターなら汚れたら外して洗ったり、最悪買い替えたりすることができます。
物理的衝撃からの保護:
落下や接触時に、レンズそのものが割れるのを防ぎます。
汚れの付着防止:
指紋、皮脂、泥跳ね、潮風(塩分)などが直接レンズに付くのを防ぎます。
メリットとデメリット
導入を検討する際、以下のバランスを考える必要があります。
| 項目 | 内容 |
| メリット | レンズの資産価値を維持できる。過酷な環境(砂浜、雨天など)でも精神的に安心して撮影できる。 |
| デメリット | 逆光時にフレアやゴーストが出やすくなる。安価なものだと解像度がわずかに低下する場合がある。 |
選び方のポイント
プロテクトフィルターなら何でも良いわけではなく、レンズの性能を引き出すために以下の3点に注目してください。
① フィルター径(サイズ)を確認
レンズの前面や側面に 「Φ58mm」 のように記載されている数値に合わせます。
サイズが異なると装着できません。
② コーティングの質
- 反射防止(マルチコーティング): 反射率が低いほど、画質への影響が少なくなります。
- 撥水・撥油コーティング: 水滴や油汚れを弾くため、屋外撮影でのメンテナンス性が劇的に向上します。
③ 枠の厚み(薄枠設計)
広角レンズに使用する場合、フィルターの枠が厚いと画面の四隅に枠が写り込む「ケラレ」が発生することがあります。
広角レンズには薄枠(スリムタイプ)を選びましょう。
プロテクトフィルターの種類を選ぶ
UVフィルターとは?
UVフィルターは、目に見えない紫外線(Ultra Violet)をカットするためのフィルターです。
フィルムカメラの時代には必須のアイテムでしたが、現代のデジタルカメラでも特定のシーンで効果を発揮します。
紫外線の影響
紫外線は波長が短いため、空気中の粒子に当たって散乱しやすい性質があります。
- 風景の霞(かすみ):
遠くの景色がぼんやりと白っぽく写る「霞」の原因になります。 - 青被り:
晴天時の影の部分や、山岳・海辺などで全体的に青みがかって写る現象を引き起こします。
デジタルカメラにおけるUVフィルターの役割
現代のデジタルカメラのセンサー(CMOS/CCD)には、もともと紫外線や赤外線をカットするコーティングやフィルターが組み込まれています。そのため、「画質改善」としての必要性はフィルム時代ほど高くありません。
しかし、以下の理由で現在も利用されています。
- 常用保護フィルターとして:
プロテクトフィルターと同様に、レンズの物理的な保護を兼ねて装着されます。 - 極限環境での補助:
高標高の山岳地帯、抜けるような青空の海辺など、紫外線が非常に強い場所では、センサー単体で処理しきれない微細なフレアを抑え、ヌケの良い描写を助けることがあります。
プロテクトフィルターとの違い
一見するとどちらも透明ですが、役割に明確な差があります。
| 項目 | プロテクトフィルター | UVフィルター |
| 主な目的 | レンズの物理的保護(傷・汚れ) | 紫外線の除去(霞や青被りの抑制) |
| 色味への影響 | ほぼ無色透明で変化なし | 紫外線カットにより、遠景がクリアになる |
| 推奨シーン | スナップ、室内、日常使い全般 | 山岳、海、晴天時の屋外風景 |
選び方の注意点
UVフィルターを選ぶ際は、以下のスペックに注目してください。
- カットする波長(L37 / L39など)
L37:一般的な紫外線カット。常用に適しています。 - マルチコーティングの有無:
安価なUVフィルターは反射率が高く、ゴーストの原因になります。
デジタル対応の「デジタルマルチコーティング」が施されたものを選びましょう。
どちらを買うべきか?
- 風景写真をメインに撮る方:
遠景の明瞭度を少しでも上げたいならUVフィルターがおすすめです。 - ポートレートや室内、夜景が多い方:
余計な光の干渉を避け、レンズの性能をそのまま出したいならプロテクトフィルターが最適です。
最近では「撥水・防汚機能付きのUVフィルター」も増えており、保護フィルターとしての性能も十分に備わっています。
UVカットフィルターの記事

UVカットフィルターの種類を選ぶ
NDフィルターとは?

NDフィルターは、レンズに入る光の量を抑えるためのフィルターです。
「Neutral(中立)」という名前の通り、色味を変えずに、光量だけを均一に減らす役割を持ちます。
なぜ光を減らす必要があるのか?
日中の明るい場所では、カメラが「光が多すぎる」と判断し、シャッタースピードを非常に速く設定します。
しかし、あえてシャッタースピードを遅くしたい(長時間露光)シーンでは、NDフィルターで物理的に光を遮る必要があります。
NDフィルターを使う主な効果
NDフィルターを使うと、肉眼では見ることができない「時間の流れ」を表現できます。
- 水の流れを滑らかにする:
滝や川、海の波を糸のように、あるいは雲海のように描写できます。 - 動くものを消す:
観光地などで長時間露光を行うことで、歩いている人を消し、建物だけを写せます。 - 日中に背景をぼかす:
明るすぎる場所で絞り(F値)を開放にすると露出オーバーになりますが、NDを使えば日中でも背景を綺麗にぼかしたポートレートが撮れます。 - 動画の自然な動き:
動画撮影では「シャッタースピードをフレームレートの約2倍」にするのが基本ですが、明るい屋外ではNDフィルターがないと画面がパラパラした不自然な動き(白飛び)になってしまいます。
NDフィルターの種類と数字の意味
NDフィルターには「ND2」「ND8」などの数字が付いています。これは「光を何分の一にするか」を表しています。
| 表記 | 光量 | 露出倍数(段数) | 主な用途 |
| ND4 | 1/4 | 2段分減光 | 夕暮れ時、動画撮影の調整 |
| ND8 | 1/8 | 3段分減光 | 明るい屋外でのポートレート |
| ND16 | 1/16 | 4段分減光 | 渓流の水の流れを少し滑らかにする |
| ND64 | 1/64 | 6段分減光 | 滝や波をしっかり糸状にする |
| ND1000 | 1/1000 | 10段分減光 | 日中の長時間露光、人を消す、海を平らにする |
フィルターの形状とタイプ
NDフィルターには大きく分けて3つのタイプがあります。
① 丸形(ねじ込み式)
最も一般的で、レンズの先端に直接ねじ込んで使います。
- メリット:
装着が簡単、光漏れが少ない。 - デメリット:
濃度を変えるには複数のフィルターを持ち歩く必要がある。
② 可変NDフィルター(バリアブルND)
フィルターを回転させることで、1枚でND2〜ND400のように濃度を自由に調整できます。
- メリット:
付け替えの手間がない。特に動画撮影で必須。 - デメリット:
非常に濃くすると画面に「X状のムラ」が出ることがある。
③ 角形フィルター
ホルダーを使い、板状のフィルターを差し込みます。
- メリット:
複数のフィルターを重ねやすい。空だけを暗くする「ハーフND」などの特殊な表現が得意。 - デメリット:
かさばり、価格も高価。
使用時の注意点
- 三脚が必須:
シャッタースピードを遅くするため、手持ちでは必ずブレます。 - ピント合わせ:
ND1000などの濃いフィルターを付けるとファインダーが真っ暗になり、オートフォーカスが効かなくなります。
装着前にピントを合わせてから、マニュアルフォーカス(MF)に切り替えるのがコツです。
NDフィルターの種類を選ぶ
NDフィルターの記事




PLフィルターとは?

PLフィルターは、特定の方向から来る光の振動(偏光)をカットするフィルターです。
簡単に言うと、「不要な反射を取り除く」のと「色彩を鮮やかにする」の2つの大きな役割があります。
現代のデジタルカメラ(一眼レフやミラーレス)では、オートフォーカスや露出計への影響を避けるため、「C-PL(サーキュラーPL / 円偏光)フィルター」を使用するのが一般的です。
PLフィルターの主な2大効果
① 反射の除去
水面やガラス、葉っぱの表面などのテカリ(反射)を抑えます。
- 水面:
反射を消すことで、水の中にある魚や石をクリアに写せます。 - 木の葉:
葉の表面の反射を抑えることで、植物本来の「緑色」を濃く表現できます。 - ショーウィンドウ:
ガラスの映り込みを消し、中の展示物をはっきりと写せます。
② 色彩の強調(コントラスト上昇)
空気中の微細なチリや水蒸気による乱反射を抑えます。
- 青空:
空をより深い紺色にし、白い雲とのコントラストを際立たせます。 - 虹:
虹の色をより鮮明に浮き上がらせることができます。
使い方とコツ
PLフィルターは、ただ付けるだけでは効果が出ません。
- 枠を回転させる:
フィルターが二重構造になっており、前面の枠を指で回すことで効果の強弱を調整します。
ファインダーやモニターを見ながら、一番反射が消えるポイントを探ります。 - 太陽の位置が重要:
太陽を背にした状態や、太陽に向かった状態では効果が薄れます。
太陽に対して90度の方向を向いて撮影したとき、最も空が青く写ります。 - 水面やガラスへの角度:
対象物に対して30〜40度くらいの斜めから狙うと、最も反射除去の効果が高まります。
注意点とデメリット
非常に便利なPLフィルターですが、いくつか注意すべき点があります。
金属の反射は消せない: 水やガラスには有効ですが、金属(鏡やステンレスなど)の反射は消せません。
露出が落ちる:
サングラスのような色がついているため、装着するとシャッタースピードが1〜2段分遅くなります。
暗い場所での手持ち撮影には注意が必要です。
超広角レンズでの「ムラ」
24mm以下の超広角レンズで空を撮ると、空の一部だけが暗くなる「青みのムラ」が発生しやすくなります。
寿命がある:
偏光膜は熱や紫外線に弱く、寿命は約5〜7年と言われています。色が黄色っぽくなってきたら買い替え時です。
5. PLフィルターが活躍するシーン
- 紅葉・新緑:
葉のテカリを抑え、燃えるような赤や鮮やかな緑を撮りたいとき。 - 青空の下での風景:
ヌケの良い、ハガキのような鮮やかな風景を撮りたいとき。 - 湖や海:
透明感のある水中を表現したいとき。
PLフィルターの種類を選ぶ
PLフィルターの記事


ソフトフィルターとは?
フィルターの表面に微細な凹凸や特殊な加工を施すことで、光をにじませるフィルターです。
ピントの芯(解像感)をある程度残しつつ、ハイライト部分を中心に光がじわっと広がる効果が得られます。
主な効果
- 光源を強調する:
街灯や星などの点光源を大きく、ふんわりと輝かせます。 - 質感を整える:
肌の質感を滑らかに見せたり、風景のコントラストを弱めて穏やかな印象にします。 - ドリーミーな演出:
太陽の光を拡散させ、映画のワンシーンや夢の中のような空気感を作ります。
ソフトフィルターの種類
ソフト効果の強さや「にじみ方」によって、いくつかのタイプに分かれます。
| タイプ | 特徴 | 主な用途 |
| 弱ソフト(プロソフトン等) | 芯を残しつつ、光源だけをほどよく強調する。 | 星景写真の定番。星座をはっきりさせる。 |
| 強ソフト(フォギー等) | 画面全体が霧に包まれたように白く、柔らかくなる。 | 幻想的な風景、メルヘンなポートレート。 |
| ブラックミスト | ハイライトを抑え、シャドウを持ち上げる。 | シネマティックな質感。映画のような日常。 |
| センターフォーカス | 中心はシャープで、周辺だけがボケる。 | 被写体を強調したいポートレート。 |
なぜ「星景写真」で必須なのか?
現代の高画質なレンズで星を撮ると、星が鋭い「点」として写りすぎてしまい、明るい星と暗い星の区別がつきにくくなります。
ソフトフィルター(特に弱めのもの)を使うと、明るい星ほど大きくにじむため、肉眼で見たような星座の形がはっきりと浮かび上がります。
選び方と使い方のコツ
ソフトフィルターは、撮影条件によって効果の出方が大きく変わります。
- 焦点距離による違い:
望遠レンズほど効果が強く出やすく、広角レンズほど効果が弱く見えます。 - 絞り(F値)による違い:
絞りを開ける(F値を小さくする)ほどにじみが強く、絞るほど効果が控えめになります。 - 光の強さ:
逆光や強い点光源がある場所で使うと、効果がより劇的に現れます。
デメリットと注意点
- 解像感の低下:
意図的にぼかしているため、等倍でチェックするとディテールは甘くなります。 - 後付けが難しい:
- 最近は編集ソフトでソフト効果を出せますが、本物のフィルターによる「光の回り込み」は、やはり物理フィルターを通した方が自然で美しいと言われています。
- 重ね付けのケラレ:
厚みのあるフィルターを広角レンズに重ねると、四隅が暗くなることがあります。
人気のシリーズ
- Kenko ブラックミスト No.05 / No.1:
昨今のSNSで最も人気。コントラストを抑え、日常を映画のように撮るのに最適。 - Kenko プロソフトン (Clear / A / B):
- 星景写真のスタンダード。Aは程よく、Bはしっかりにじみます。
- Marumi DHG ソフトファンタジー:
非常に繊細で、女性のポートレートや花の撮影に人気。
ソフトフィルターの種類を選ぶ
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クロスフィルターとは?

フィルターの表面に、目に見えないほど細かな格子状の溝が刻まれているフィルターです。
点光源(電球や太陽の反射など)の光がその溝に沿って回折することで、光の筋(光条)を作り出し、キラリとした輝きを表現します。
光の筋の数によるバリエーション
溝の切り方によって、現れる光の筋の数が変わります。表現したい雰囲気に合わせて選びます。
- 4本線(クロス):
最も一般的で自然な輝き。クリスマスの星のような形になります。 - 6本線(スノー):
雪の結晶のような華やかな輝き。夜景が一段と豪華になります。 - 8本線(サニークロス):
非常に派手で、太陽の強い光や宝石の撮影に向いています。
クロスフィルターの大きな特徴
① 枠を回して角度を調整できる
PLフィルターのように前枠が回転する構造になっています。
枠を回すことで、光の筋の角度(「+」にするか「×」にするかなど)を自由に変え、構図に合わせることができます。
② 光の強さで長さが変わる
光源が明るいほど光の筋は長く、暗いほど短くなります。
すべての光がクロスするわけではなく、ある程度強い「点」の光に反応します。
使う時のコツと注意点
- 広角よりも望遠がおすすめ:
広角レンズでは光の筋が短くなりやすく、望遠レンズ(あるいはズームの望遠側)を使うと、より長くはっきりとした光の筋が出やすくなります。 - 絞り込みすぎに注意:
絞り(F値)を大きくしすぎると、光の筋が途切れて点々になってしまうことがあります。
開放付近から少し絞る程度が最も綺麗に写ります。 - 光源が多すぎると画面がうるさくなる:
画面全体に強い光源がある場所(派手すぎるイルミネーションなど)では、光の筋が重なりすぎて、何が写っているか分からなくなることがあります。
主役となる光を絞るのがコツです。
活躍する撮影シーン
- 冬のイルミネーション:
街路樹の電飾などを一気に華やかにします。 - 水面の反射:
- 太陽が水面でキラキラしているシーンに使うと、幻想的な水辺になります。
- ジュエリー・小物撮影:
指輪のダイヤやガラス製品に一筋の輝きを添え、高級感を演出します。 - 木漏れ日:
- 森の中で葉の間から漏れる光をキラキラさせ、メルヘンな世界観を作ります。
最近のトレンド:可変クロスフィルター
最近では、光の筋の長さを変えられるタイプや、ソフトフィルターの効果を併せ持ったタイプも人気です。
Marumi DHG クロスシリーズ:
デジタル一眼に最適化されたコーティングが施されています。
Kenko R-クロススクリーン:
定番中の定番。
クロスフィルターの種類を選ぶ
カラーフィルターとは?
レンズの先端に装着し、通る光そのものに色をつけます。
レンズ用カラーフィルター
① モノクロ写真用(Y2、O2、R1など)
モノクロ撮影において、特定の色を「明るいグレー」にするか「暗いグレー」にするかを制御します。
- イエロー(Y2)/ オレンジ(O2):
青空を暗く落とし、白い雲とのコントラストを強調します。 - レッド(R1):
- コントラストが非常に強くなり、ドラマチックで重厚なモノクロ写真になります。
② 色温度変換用(LB / CCフィルター)
デジタルの「ホワイトバランス」に相当する役割です。
- アンバー系(暖色): 青みを抑え、温かみを出します。
- ブルー系(冷色): 赤みを抑え、クールな印象にします。
※現在はデジタル補正が優秀なため、あえてレンズに付ける機会は減っていますが、極限まで画質にこだわる風景写真家には愛用されています。
ストロボ用カラーフィルター(カラージェル)
これが現代のライティングにおいて最も重要です。ストロボの直前にセットして、「発光する光の色」を変えます。
① 現場の光と色を合わせる(色温度の同調)
ストロボの光は「昼間の太陽光(白)」に近い色をしていますが、室内の電球(オレンジ)や蛍光灯(緑)の下でそのまま光らせると、背景と被写体の色がチグハグになってしまいます。
- オレンジのフィルター: 電球色の部屋で使い、ストロボ光を電球に合わせます。
その上でカメラのWBを「電球」にすれば、写真全体が自然な色合いになります。
② 演出として色を付ける(クリエイティブ・ライティング)
あえて背景やモデルの輪郭(エッジライト)に強い色を乗せます。
- 青や赤のフィルター: サイバーパンクな雰囲気や、近未来的なポートレート、ライブ写真のような劇的な演出が可能です。
カラーフィルターの効果
| 種類 | 主な効果 | 活用シーン |
| モノクロ用 | コントラストの調整 | 芸術的なモノクロ風景、ポートレート |
| 色温度変換用 | 色被りの補正、雰囲気作り | 厳密な色再現が必要な風景撮影 |
| ストロボ用(補正) | 環境光との違和感を消す | 室内でのイベント撮影、結婚式 |
| ストロボ用(演出) | 独創的な世界観の創造 | コスプレ撮影、広告、MV風写真 |
選び方と注意点
- レンズ用:
フィルター径に合わせる必要がありますが、最近は「丸形」よりも「角形」の方が、複数の色を重ねたりグラデーション(半分だけ色をつける等)をかけたりしやすいため人気です。 - ストロボ用:
- マジックテープやゴムバンドで固定するシート状のものが一般的です。「MagMod」などのマグネット式システムを使うと、瞬時に色を切り替えられて非常に便利です。
デジタル時代の活用法
今は「後から編集(レタッチ)」で色を変えるのが当たり前ですが、ストロボ用フィルターだけは後から加工するのが困難です(被写体と背景の光の色が混ざるため)。
現場で正しい色を混ぜる「引き算」の思考を身につけると、写真のクオリティが格段に上がります。
カラーフィルターの種類を選ぶ
1. 赤外線フィルターとは?

光の波長のうち、目に見える「可視光線」をほとんどカットし、波長の長い「赤外線」だけを透過させるフィルターです。
このフィルターを付けて撮影すると、植物の葉が真っ白に写り(ウッド効果)、空や水面が真っ黒に沈む、コントラストの非常に強い独特な写真が生まれます。
赤外線写真の主な特徴
- 白い植物(スノーホワイト効果):
植物の葉は赤外線を強く反射するため、まるで雪が積もったように白く輝いて写ります。 - 漆黒の空と水:
空や水は赤外線をほとんど反射せず吸収するため、深い黒色になります。雲だけが白く強調されるため、劇的な空の表情が得られます。 - 透き通る霞:
赤外線は波長が長く、空気中の微細なチリを通り抜けやすいため、遠景の霞(かすみ)が消えて驚くほど鮮明な風景が撮れます。
種類と数字の意味
赤外線フィルターには「R72」や「IR850」といった数字が付いており、これは「何ナノメートル(nm)以上の波長を通すか」を表しています。
赤外線フィルターは普通の方は使用しません。
使用したとしても画像加工などで手を加える必要もあります。
| 種類 | 特徴 | 表現スタイル |
| 720nm (R72) | わずかに可視光(赤色)を通す。最も一般的。 | 「カラ赤外」が可能。編集で幻想的な色を作れる。 |
| 850nm / 950nm | ほぼ完全に赤外線のみを通す。 | 純粋なモノクロ赤外。よりコントラストが強烈になる。 |
デジタルカメラでの注意点(重要)
赤外線フィルターは、他のフィルターのように「買って付けるだけ」では上手くいかない場合があります。
- ローパスフィルターの壁:
通常のデジカメには、赤外線をカットする「IRカットフィルター」がセンサーの前に内蔵されています。
そのため、フィルターを付けると光が極端に足りなくなり、日中でも数秒〜数十秒の長時間露光(三脚必須)が必要になります。 - 赤外線専用改造:
本格的に撮る人は、カメラ内部のIRカットフィルターを取り外す「赤外線改造」を施した専用機を使います。
これなら手持ち撮影も可能です。 - ピントのズレ:
赤外線は可視光と屈折率が異なるため、レンズの指標通りに合わせてもピントがズレます(赤外線指標がある古いレンズもあります)。
ライブビューでピントを追い込むのが基本です。
撮影と現像のコツ
- 快晴の日がベスト:
太陽光には赤外線が豊富に含まれています。真夏の昼間など、光が強い時ほど劇的な効果が出ます。 - ホワイトバランスの設定:
フィルターを通すと画面が真っ赤になります。撮影前に「草」などを基準にマニュアルホワイトバランスを合わせると、後で編集しやすくなります。 - 現像(チャンネルスワップ):
R72などで撮った写真を、画像編集ソフトで「赤」と「青」のチャンネルを入れ替えると、空が青く、葉がピンクや白に輝くフェイクカラー赤外写真が作れます。
赤外線フィルターの種類を選ぶ
光害カットフィルターとは?
都市部の照明(水銀灯やナトリウム灯など)から出る特定の波長の光を、物理的にカットするフィルターです。
夜空がオレンジ色や黄色に被ってしまう現象を抑え、空を本来の「黒」や「紺」に近づけることで、星や星雲のコントラストを劇的に向上させます。
主な効果とメリット
- 空の「色被り」を抑える:
街明かりによるオレンジ色のモヤを消し、ヌケの良い夜空にします。 - 星の輝きを際立たせる:
背景の空が暗くなることで、かすかな星の光がはっきりと見えるようになります。 - レタッチが楽になる:
撮影時点で余計な光がカットされているため、後から編集で色を補正するよりも画質劣化が少なく、自然な仕上がりになります。
フィルターの種類と特性
用途や使用するレンズによって、大きく2つのタイプに分かれます。
①撥水・防汚タイプ(円形ねじ込み式)
レンズの先端に付ける一般的なタイプです。
- 特徴:どのレンズでも使いやすく、メンテナンスが楽。
- 主な製品::Kenko スターリーナイト、Marumi 光害カットフィルターなど。
- 注意点:超広角レンズで使うと、画面の端で色の変化(青みが強くなるなど)が起きる場合があります。
②干渉フィルター(プロ向け・角形など)
特定の波長を極めて鋭くカットする高機能なタイプです。
- 特徴:天の川や星雲を撮る際、驚異的なコントラストを生みます。
- 注意点:光が入る角度によって効果が変わるため、主に望遠寄りのレンズや、カメラ内部のセンサー直前に配置する「クリップタイプ」が好まれます。
使う時のコツと注意点
- 露出時間の変化:
光を一部カットするため、装着前よりも画面が少し暗くなります。
通常より1/3〜1段分ほど露出を明るく設定(シャッタースピードを伸ばす、またはISOを上げる)するのがコツです。 - ホワイトバランスの設定:
- そのまま撮ると画面全体が青っぽくなることがあります。
RAW現像時にホワイトバランスを調整することで、理想的な夜空の色を追求できます。 - すべての光を消せるわけではない:
最近増えているLED照明は、幅広い波長の光を出しているため、従来の光害カットフィルターでは完全に消すことが難しいという性質があります。
活躍する撮影シーン
- 都会近郊での星景写真:遠くに街の明かりが見える場所での撮影。
- 天の川の撮影:夏の濃い天の川を、より鮮明に浮き上がらせたい時。
- 月夜の撮影:月明かりによる空の明るさを抑え、星を強調したい時。
代表的なシリーズ
Sitech(サイトロン):より本格的な天体写真向け。特定の星雲の光だけを通すような特殊なフィルターもラインナップされています。
Kenko スターリーナイト:初心者から上級者まで愛用者が多い定番。色が自然で広角レンズでも使いやすい。
光害カットフィルターの種類を選ぶ
レンズフィルターまとめ
「レンズフィルターは、単なるレンズの保護具ではありません。
光を操り、目に見えない世界を写し出し、時にはデジタル処理では不可能な質感を表現するための重要なツールです。
まずはレンズを守るプロテクトフィルターから。
そして、表現の幅を広げたいならPLやND。
さらに、今のトレンドであるブラックミスト(ソフト)や光害カットを使い分けることで、あなたの写真はもっと自由で、もっとドラマチックに変わります。
自分の撮りたい被写体やスタイルに合わせて、最適な『一枚』を見つけてみてください。」

